皆様の風邪をひいて熱を出したとき、すごく眠くなるという経験がありますよね。このように、炎症(細菌やウィルスを撃退する免疫反応)によって、睡眠が誘発されるのは良く知られたことです。そして、発熱と睡眠に関与するのが、サイトカインという物質です。
細菌やウィルスに感染すると、サ イ トカイ ンが白血球や神 経細胞 か ら放 出されます。サイトカインは、免疫活性を上昇させ、細菌やウイルスの増殖が抑制される発熱状態を作ります。そして、この発熱状態(攻撃態勢)を維持するためのエネルギーは睡眠によって得られます。
また、サイトカインは、脳が寝ている間(睡眠状態)に、最も効力を発揮するように出来ているので、炎症が起きた際は、サイトカインは脳に眠るように指令を出します。逆に脳が強く活動してる間は、脳を攻撃してしまわぬように、サイトカインは抑制されています。
つまり炎症性サイトカインは、免疫を増強するために、発熱と睡眠を誘発します。
では、次に睡眠を誘発する炎症反応が、なぜ不眠症へとつながってしまうのかについて解説します。