眼精疲労や目の病気において、目と心の関係性は、切り離せない問題です。実際、重度の眼精疲労の患者さんの中には、過去・現在に、過度なストレスを受けた経験を有している方が少なくありません。

目の辛さは、周囲には分かってもらえず、精神的な孤立から、心に不調を来すことが少なくありません。私達自身が子供の頃から目の痛みや見えにくさと付き合ってきました。また、当院のスタッフの中に目の難病を抱えている者もおります。当院は、目で辛い思いをしている方にとって、目と心のオアシスでありたいと考えいます。

目と心の鍼治療のご案内

私たちが取り組んでいるのが、目とメンタル鍼灸です。私たちは、「目と心の関連性」に着目し、鍼灸施術を行っています。

目と心の鍼治療は、現在予約が混み合っているため、平日のみ(AM10:00~PM7:30)の限定コースです。代金は10,000円(税込)で予約制となります。こちらのコースは初診料は掛かりません。カウンセリングに十分な時間を取りますので所要時間は90分となります。予約はTEL03-5980-7511まで。ご予約の際に「目と心の鍼治療」を希望とお伝えください。

カウンセリングに加え、鍼治療によって首肩背中の緊張を緩和し、背中にある背部兪穴(肺、心臓、消化器系のツボ)に刺激を加え、呼吸、心拍、胃腸などの内臓の働きを調節します。また、腹側迷走神経が作用する「目を中心とした表情筋」を刺激し、目や顔の緊張を緩和します。

優しい鍼の刺激で、自律神経を調整していきます。治療は完全オーダーメイドで、鍼の刺激が苦手な方には、マッサージなどの手技で対応することも可能です。

1、目の症状により心を痛めるケース

目の病気は様々で、突然起こるものもあります。目の中で出血が起こる眼底出血や、急に網膜がはがれる網膜剥離、視神経炎、神経眼科疾患など。今まで普通に見えていた人が、著しい視力の低下を被ったり、視界がゆがむ後遺症を来したり、入院や手術など、今までの生活が一変することがあります。

また、緑内障や網膜症、目の難病などは、徐々に視力が失われるかもしれない不安を抱え、生きていくことになるかもしれません。

その結果、学校を休みがちなったり、職場を休職したり、家事や育児に行き詰まったり、夢をあきらめてしまっりと、人生そのものが揺らいでしまいます。

日常生活において、多くの情報は、目から得ています。そのため、ひとたび目に不具合を生じると、今まで容易だったことが、出来なくなります。また、周囲とのコミニュケーションンに支障を来すことで、非常に心身に負担が掛かります。この辛さは、誰も分かってくれない、と。

もし、目の病気が完治しないものであれば、私たち鍼灸師は、眼精疲労の緩和を図り、少しでも目を使いやすくしてあげることで、患者さんの負担を軽減することが治療の目的となります。目の病気と上手く付き合っていく、そのようなを患者さんがマインドセットを行えるよう、精神的なケアも含めた治療を行うよう心がけています。

2、心の不調から目に症状が出ているケース、心身症と眼精疲労

心身症は、メンタル疾患と言うよりは、内科疾患であると言わています。実際に、様々な鍼灸院が、不定愁訴を抱える患者さんの治療に取り組んでいると思います。心身症は、多くの人が抱える問題です。そして、今まで健康に過ごしてきた人にも、突然のストレスによって心身症が引き起こされる場合があります。自然災害やコロナ禍による生活環境の激変など、今後ますます心身症は社会的な課題となります。

Aさんは、50代のご主人が、脳出血で急死し、その後から、重度の眼精疲労と眼瞼痙攣の症状に悩まされるようになりました。ご主人との急な別れを受け入れることが出来ず、今なお自分を責めているという感じでした。

道を歩いていると、意に反してギューと目が閉じてしまうため、電信柱にぶつかりそうになったり、道路で立往生してしまったり、一度閉じた目は自分の意志では開けることが出来なくなります。

眼瞼痙攣の症状は、いつ起こるかわかりません。そのため、一人では外出することさえできない状態でした。

脳外科では異常がなく、眼科でボトックス療法を受けても症状が改善しないので当院を受診。精神科での薬物療法を受けても、目の症状に変化はありませんでした。ご主人がなくなる前までは、健康的な生活をしていたとのことでした。

心身症の症状は、胃腸障害や慢性疼痛などが有名ですが、目に機能的な症状が出る場合も少なくありません。ピント不全、眼瞼痙攣、斜視や斜位、眼瞼下垂や眼精疲労などが、その典型です。

3、眼精疲労に伴うメンタルの不調に自律神経を整える鍼灸治療

Fさんは、目の酷使による重度の眼精疲労と片頭痛を自覚していました。ある時、仕事中に強いストレスに遭遇した際、急に顔がこわばり、背中や首の筋肉が硬直し、手足が痺れ、呼吸困難の状態となり、動けなくなりました。

すぐに病院を受診しましたが、医師の診察を受ける頃には、硬直の症状は治まり、検査でも異常はありませんでした。

そこでFさんは、強い眼精疲労に、大きなストレスが重なって起きた症状と考え、眼精疲労と自律神経が専門の当院を受診したのでした。

Fさんのように、眼精疲労と伴に、過度なストレスによって背筋が硬直し、過呼吸や動悸、手足がしびれるようなパニック発作を起こした経験のある患者さんを治療する機会は少なくありません。

眼精疲労から三叉神経、腹側迷走神経複合体の機能低下

いずれの方も病院の検査では異常が見られず、医師からは自律神経を整えるようアドバイスを受けることが多いようです。このようなケースにおいて、当院ではストレスに起因した自律神経発作と想起し、その予防的な鍼治療を行うことがあります。

このように、当院では、眼精疲労に伴うメンタルの不調に対して、目と自律神経を調整する鍼治療を行っています。予約制 TEL03-5980-7511まで。