スマホ4大眼症の目次
- スマホ老眼(若年性ピント障害)
- スマホ斜(斜位と隠れ斜視)
- スマホ眼痛このページ
- スマホ首痛(後頭下筋群)
以下、本文です。
スマホやタブレット、ポータブルデバイスによる眼精疲労疼痛とは
当院では、病院では「異常なし」と言われたり、痛みの「原因は不明」と言われたり、これ以上は「治療法が無い」と言われた目の痛みを抱える患者さんに対して「目の痛みの専門鍼治療」を行っています。
目を使い過ぎると、「みけん」や「こめか」、「目の奥」や「後頭部」がズキズキして、休息や睡眠をとっても、鎮痛剤を飲んでも痛みが取れない。ひどい場合には、朝、目の痛みで目が覚めたり、目の痛みで眠れなかったり、これらはQOLを著しく低下させるほど深刻な症状です。 多くの場合、痛みは次の4か所で起こります。
これらの「眼精疲労性疼痛」が慢性化すると、顔や頭の全域に張り巡らされ三又神経が過敏状態となります。その結果、顔の三又神経痛をはじめ、重度の緊張型頭痛、頻繁な片頭痛や後頭神経痛、難治性頭痛症候群を来す場合もあります。
そのような場合、元をたどると目の痛みから始まった、という方が少なくありません。例えば、みけんを指で押してみると、コリっとした米粒のような塊を触知できるかもしれません。 私たちの治療院では、この眉間にできるコリの核を鍼の刺激で取り除くという治療を行っています。
眉間部には、眼球の奥へ感覚や痛みを伝える三叉神経(滑車上神経、眼窩上神経)の経路となってしまいます。そこに硬いコリが出来てしますと、常に三叉神経が刺激を受ける状態となるので、痛みの感受性が増幅してしまします。
三叉神経と目の痛み
三叉神経は目の奥に巨大な神経節(ネットワークの中継地点)を有しています。中でも、朝起きがけから目の奥がズキズキする「目の奥痛」はとても辛い症状です。また、群発頭痛なども、目の奥に位置する三叉神経が関与していると言われます。
三叉神経とは
三叉神経は12対ある脳神経のひとつです。脳(橋)から出た三叉神経は、頭蓋内では硬膜、脳底動脈や大脳動脈の外膜に。頭蓋外では、頭部や顔、耳、鼻腔、副鼻腔、口腔、歯、喉から首に至るまで網目のように張りめぐらされています。
もちろん、眼球も例外ではありません。眼球は三叉神経の網に包まれ、眼球内部の隅々に三叉神経が張りめぐらされています。特に角膜は三叉神経による鋭敏な感覚を有しています。
この三叉神経は、眼神経(第一枝)、上顎神経(第二枝)、下顎神経(第三枝)という三つのラインを有しています。これらの感覚伝達はルートによる独立性がある一方で、広範囲に及ぶ感覚ネットワークを形成しています。以下は、治療のポイントとなる「ツボ」です。
三叉神経の広域ネットワーク
歯が痛いと目の奥が痛くなったり、鼻毛を抜くと涙が出たり、と一部の刺激が離れた部位にも影響を及ぼします。首から上の感覚は、三叉神経の広域ネットワークを介して脳に伝わる仕組みを有しています。
私たちは、この刺激伝達系ネットワークを、逆に利用します。目の周りや首などの体表に鍼をすることで、目の奥の痛みを取り除いたり、難治性の頭痛を緩和することができるのです。
三又神経過敏の要因
まず目を酷使して、刺激を受ける場所は「角膜」です。角膜は三叉神経が網目状に張り巡らされてる非常に敏感な組織です。常に外界からの刺激を受けています。瞼や涙によって角膜は保護されていますが、瞼や涙に不具合が生じると、様々な刺激を受けやすくなります。
コンタクトレンズはもとより、エアコンによる乾燥、お化粧、汚れた空気、ハウスダスト、化学物質などによって、過度な刺激が加わる部位です。スマホ画面の強い光も刺激の原因となります。
疲労物質による三叉神経過敏症
三叉神経は外界からの刺激を受けるだけではありません。オーバーユースによって産出された疲労物質や発痛物質の刺激にもさらされます。疲労物質や発痛物質は、本来は素早く静脈血管系によって回収されるはずですが、回収が追い付かないとその場に蓄積していきます。すると組織はむくんだ状態になります。
そもそも疲労感や痛みは、「酷使をこれ以上続けると体に害が及ぶ」という生体が持つ警報や防衛反応のひとつです。有限である活動を制限するサインとして働いています。
みけん頭痛と三叉神経の関係性
三叉神経(さんしゃしんけい)は、12対ある脳神経の一つで、主に顔の感覚や痛みを検知する神経です。脳幹から出た三叉神経は3枝に分岐し、それぞれ顔面や頭部の感覚を脳に伝える役割を担っています。
目を酷使すると、みけん部分に硬結(コリの核)ができます。みけんの硬結は血管や神経を刺激して、みけん痛を起こします。さらに硬結が固く大きくなると、頭にジンジンといった放散痛を起こします。また、第一枝の三又神経痛(眼神経痛)により、他の神経枝も過敏になることがありますので、側頭部や顔全体、後頭部や首に至るまで、広範囲に痛みが放散した状態(神経過敏)となる場合があります。
逆に、みけん部に生じた固く大きくなったコリの核が消失、または小さくなれば、みけん部の「いやな痛みの持続、頭に放散するジンジンとした頭痛や三又神経痛」は緩和する可能性があります。
こめかみ頭痛について
次は、こめかみから側頭部にかけて「孫悟空の輪っか」の様に、締め付けられる「こめかみ頭痛」についてです。・・・。
◆なぜ「こめかみ」が「こる」のか?
人間の場合、両眼で遠方を見た時の視野角は、およそ200度です。一方で、近距離の一点に焦点を合わせた場合は10度前後まで視界が絞り込まれます。そうすることで、周りの余計な物が目に入らず、コメ粒ほどの小さい物体を正確に見ることが可能となるのです 。では、近くの一点を集中的に見る際に、私たちの目はどのような状態になっているでしょうか。
近くを凝視するときの3作用
- 毛様体筋が水晶体を厚くしてピントを近くに合わせる。
- 瞳孔を収縮させて視界を絞り込む。
- 眼球を内側に寄せて両眼視する。
これで近くの一点に焦点が合うのですが、実際は「目を細める・目の周りに力を入れる」という眼輪筋や側頭筋による補助作用が、状況によって加わります。それは、疲れていても頑張る時、眠くても集中しなければならない時、緊張やストレスを感じている時、何かに熱中している時などです。
例えば、仕事で長時間PCと「にらめっこ」している、緊張しながら試験を受けている、夢中でスマートフォンを凝視しているなど、様々な状況下で「目の周りの筋肉、特にこめかみや側頭部」に負荷がかかります。以下は、当院が良く鍼を鍼を打つ場所です。
こめかみと頭痛
こめかみから側頭部にかけて、感覚を脳に伝える三又神経や後頭神経が植物の根のように張り巡らされています。凝り固まったこめかみや側頭部の筋肉は、これらの神経を刺激します。その結果、頭が締め付けられるような頭重感やジーンやズキズキといった痛みが生じます。
さらに、遠視や乱視、斜視・斜位、視野異常などがある場合は、この傾向が顕著になります。例えば、外斜位がある場合を見ていきましよう。
私たちは、近くの一点を見る時、自然と寄り目になります。脳が鮮明な画像を取得するために、目の筋肉(内側直筋など)に指令を出して、寄り目の状態にします。もともとの眼位が外向きの人は、目を寄せるのに多くのエネルギーを使用します。
ですから、パソコンやスマホを見続けると目も脳も疲れてしまいます。 眼外筋の緊張と連動して、目の周りの筋肉も内下方に収縮しますので、特にこめかみ、側頭筋に大きな負荷がかかります。
遠視、斜視や斜位がない人でも重症化
かつて、重度の「こめかみ頭痛」で当院を受診する方は斜視や斜位、遠視の方が多かったのですが、現在では特に目や視機能に異常がない方でも、重度の症状を訴える方が急増しています。
スマホ画面は文字や画像が小さく、焦点距離も非常に近くなります。スマホを見続けるためには、より目を内側に寄せ続ける必要があります。やはり、過度のスマホ使用は、こめかみや側頭部に甚大な負荷がかかるのだと思います。
以上のような症状には、以下の治療コースがおすすです。