眠る準備が整ってから、スムーズな睡眠に入るには、ここち良い睡眠環境が大切です。皆様も、室内の温度、パジャマ、寝具、照明など様々な工夫を凝らしていると思いますが、それらを考える上で重要なのが「睡眠と体温」の関係です。
医学的に人の体温は、表層の「皮膚温」と深層の「深部体温」に分類されます。皮膚温は外気温の影響を受け、手足など身体の末端ほど冷たくなる傾向があります。
一方、深部体温は、周囲の温度の影響を受けにくいので、核心温度・中枢温度とも呼ばれ、体内組織、内臓や脳の温度を示しています。この深部温度が睡眠と大きく関係しています。
一般的に、日中の深部体温(脳や臓器の温度)は37度前後をキープしていますが、夜9時頃から下がり始めます。入眠前にさらに下がり、深部体温は寝ている間が1番低くなります。一方、皮膚温が入眠前から上昇することで深部体温は低下(表裏の関係)し、入眠にとって最適な体温調節が起こることで、スムーズな眠りへと入ることが可能になります。
このように深部体温は、皮膚の表面から熱が放熱される過程で低下しますので、部屋温度が低すぎると皮膚温が上昇しないため、睡眠に必要な深部体温が得られなくなってしまいます。