体内時計は、細胞のすべてに備わっています。視交叉上核には、マスタークロックがあり、このマスタークロックが全ての細胞のタイマーを調節していると言われています。

実は、人間の体内時計は、ピッタリ24時間周期ではなく、平均で24時間12分と若干のズレがあると言われています。そのため、ズレた時計のまま過ごしていると、どんどん眠くなる時間が遅くなってしまいます。体内時計の最も重要な点は、朝に日の光をあびるとリセットされる(約12分のズレを補正される)点です。

但し、夜に強い光を浴びてしまうと、時計の針が1~2時間ほど巻き戻されてしまい、気づかないうちに入眠に支障が出て、夜更かし体質になってしまう可能性があります。これは、体内時計が、光に反応することで分泌が調節されるメラトニンというホルモン(後述)の影響下にあるためです。

体内時計(マスタークロック)のスイッチは青い光

私たちが普段感じている光(太陽光や人工光)は、それぞれ周波数の異なる7つの色彩光が合わさったものです。そのうち、青色の光は波長が380~500nm(ナノメートル)と短く、紫外線などに近い可視光線です。このブルーライトが、目の網膜に存在する第4の視細胞から視交叉上核にあるマスタークロックを調節していると言わています。

ですから、なるべく朝の時間に、太陽光(太陽光に近い光)を浴びることが、睡眠サイクルを適正化するために必要となります。

メラトニン(睡眠の誘発)

メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、体内時計からの指令のもと睡眠を誘発する作用があります。いわば、砂時計の「砂」の役割を果たしており、砂が溜まってくると眠気が増大する仕組みとなています。

ラトニンの分泌は、主に光によって調節され、朝に光を浴びると体内時計からの信号で分泌が止まり、目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て、再び分泌され、身体が眠る準備をはじめます。年齢とともにメラトニンの分泌量が減り、分泌の開始時間も早まるため、早寝早起きになりやすくなります。このメラトニンは、セロトニンと言う物質と密接な関係を有しています。

コルチゾール

コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、交感神経を高める働きを有しています。血糖値と血圧を上げて起床の準備をする働きがあり、夜明けが近づくと増加します。コルチゾールの分泌は、起きてからすぐに活動できるように血糖値と血圧を高めて、副交感神経優位から交感神経優位へと身体を誘導し、朝起きるための準備を体内でしています。