視神経乳頭

網膜には視神経の出口があり、眼底写真では、白いお椀のように窪んで見える部分があります。ここを視神経乳頭と言います。眼圧の影響を受けやすい部位なので、視神経乳頭の陥凹が強い場合は緑内障の可能性があり、眼科で「視神経乳頭陥凹、緑内障の疑い」という診断となります。例えるなら、風船の息を吹き込む部分です。

眼底写真 視神経乳頭
視神経毛様体動脈

黄斑部

視神経乳頭の約4㎜外側で、褐色に丸くなった部分(直径約2mm)を黄斑部と呼びます。黄斑部の中央は窪んでおり、ここを中心窩と呼びます。外界の光は、角膜・水晶体を透過し、最終的に網膜の黄斑部に収束します。視細胞のうちの錐体細胞が密集しており、「最も物がよく見える」部分です。

網膜の視細胞

黄斑部に生じる病気の代表か「加齢性黄斑変性症」です。黄斑変性症では、視界の中心部分が見えにくくなったり、ゆがんで見えたりします。また、中年男性に多いとされる「中心性漿液性網脈絡膜症」は、鍼灸治療の効果が得られやすい病態です。糖尿病性網膜症では、眼底出血や網膜剥離になどに黄斑浮腫が合併する場合があります。

OCTによる黄斑部断層画像