HYさん 30代 女性 主婦

症状
眼精精疲労、ドライアイ、眼痛、瞼が下がってくる、頭痛や動悸、めまい、立ち眩み、耳鳴り、口の渇き、首や肩の持続するこり、身体の冷え、うつ症状

HYさんは、重度の眼精疲労、自律神経失調症で当院を受診。これまで、様々な治療を受けても症状の改善は得られないとのことでした。当院でも、はじめ週1回のペースで4回ほど治療しましたが、治療直後に限っては症状の改善が得られるものの、翌日には元の辛い状態に戻ってしまうということで、治療は難航しました。

重度の眼精疲労や自律神経失調のケースでは、治療でも効果が出にくい場合があります。そのような方の中には、生活環境などの話をよく伺ってみると、意外な原因が浮かび上がってくる場合があります。

「まさか」「そんな盲点が」・・・。

それは、シックハウス症候群です。

住居という生活の根幹が、病気を誘発しているということは、非常にシビアな問題となります。

シックハウス症候群は、新築住宅やリノベーション物件などに入居することで起こる可能性がある、特異的な化学物質過敏反応です。原因は建物で使用される建材、接着剤、可逆剤、防腐剤、塗料、壁紙、防カビ材、防虫剤、家具などから揮発される様々な化学物質です。

シックハウス症候群の症状は、皮膚や粘膜(目、鼻、喉)への刺激で、目がチカチカしたり、目や口が乾いた感じがします。特に目に刺激があり、ヒリヒリする、ショボショボするなど、花粉症やアレルギー性結膜炎のような状態が続くこともあります。また、神経系にも影響が出ますので、ピント調整津障害、羞明、眼瞼下垂、眼瞼痙攣をはじめ、頭痛頭痛や眩暈、平衡感覚障害、耳鳴り、全身倦怠感、動悸、喘息の様な症状、自律神経失調症など、原因不明の体調不良など、多岐にわたります。

HYさんは、よく思い出してみると、新築賃貸物件に入居して3カ月後から、春先なのに室内が寒いことに違和感を覚えたといいます。また、部屋の中に居ると、目や喉が乾燥するので、加湿器を部屋中で使用していたが、一向に改善しないので、何かおかしという感覚があったそうです。はじめは、過労、風邪や花粉症の症状かと思い、そのままの生活を続けていました。

6カ月もすると、目の乾燥が強いので、ドライアイの症状で数件の眼科を受診するも原因が分からず、目が異常に疲れ、常に頭痛がするという状態が続いていました。

ご本人も、体調不良の原因が「住居のシックハウス」だとは、思いもよらなったそうです。引っ越しをして、問題の住居から離れた結果、症状は劇的に改善しました。HYさんの場合も、施術中の何げない会話から「半年前に引っ越しをした」と聞き、それが原因特定のきっかけになりました。

当院では眼精疲労やドライアイの治療を行ているので、滑動性眼球運動障害やピント調整津障害、羞明、眼瞼下垂、眼瞼痙攣、ドライアイなどの症状をシックハウス症候群の影響と見て治療を行うことがあります。