「中心性漿液性脈絡網膜症」は、「ちゅうしんせい・しょうえきせい・みゃくらく・もうまくしょう」と読みます。
脈絡膜の血管から水分が漏れ出て、網膜上皮細胞と網膜の間に、水分が溜まる病気です。中心分が霞んで見えたり、歪んで見えたり、健側と比べで像が小さく見えるなどの症状が現れます。
中心性漿液性脈絡網膜症は、それぞれの言葉が、この眼病の特性を示しています。
中心性は、網膜の中心、つまり黄斑部を示しています。
漿液性は、血管から漏れ出た水分(血漿)、水分の貯留、水ぶくれ、といったニヤンスです。
脈絡膜と網膜の間で起こる症状です。
それでは、詳しく解説します
網膜の中心部分には、視力に最も影響を与える黄斑部が存在します。この黄斑部には、視細胞が密集しています。
視細胞達は、光を電気信号に変換する際に必要なエネルギーを、外層の脈絡膜膜の血管から栄養を受けています。
何らかの原因で、脈絡膜血管の透過性が亢進してしまうと血漿成分が血管外に漏れ出てしまいます。
この漏れ出た血漿成分(水分が、網膜と脈絡膜を隔てている網膜上皮のバリア機能が破綻して、網膜間に水分が露出し、さらにそこに貯留してしまうことで、黄斑部が水ぶくれのような状態になります。
その結果、局所性に網膜が浮いてしまう(漿液性網膜剥離)症状を、中心性漿液性脈略網膜症と言います。
特徴
40代から50代の働き盛りの男性に多く、
ストレスや過労、喫煙などが原因となります。
全身エリテマトーデスなど、膠原病の治療等でステロイドを長期使用している女性にも起きやすい症状です。
また、女性の場合、妊娠中に起こる場合もあります。
症状
- ものが歪んで見える、変視
- ものが小さく見える、小視症
- 中心部分が霞んで見えるのも特徴です。中心暗点を生じる。
経過
通常は、3から6ヶ月で自然治癒することも多く、治療はストレスなどを軽減し経過観察を行うことが主となります。症状が重かったり、繰り返したりする場合はレーザー治療を行う場合があります。