近年では、持続性知覚性姿勢誘発性めまい(PPPD)といって、視覚情報、体性感覚から誘発される、くらっとする、また浮遊感の強いめまいが長期間(3か月以上)持続する新しい『めまい』が報告されています。当院では、このような症状を「目と耳の相互不調」として、鍼治療を行っております。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: fufhga.png

めまいが誘発される状況は様々でが、急に立ち上がったり、姿勢を変えた時に起こる他、スーパーで買い物をしている時(陳列棚の商品を見ている時)や複雑な景色や図形をみている時、人混みの中を歩いている時、パソコンやスマホで画面をスクロールしている時などに、めまいが起こることが多いようです。

また、めまいの症状の他に、ピント調整や眼球運動に不具合が出ることもあり、眼精疲労の症状を訴える患者さんが少なくありません。 例えば、目が疲れると、耳の閉塞感が生じ、めまいや耳鳴りが強くなるという症状です。一方、低音性感音難聴やメニエール、原因不明の眩暈を生じている患者さんが、耳の調子が悪くなると、目も酷く疲れるといったことがよくあります.

PPPDにおいては、目や耳、姿勢保持のための平衡感覚・体性感覚が過敏になるのは、心身の状態や自律神経失調の関与も示唆されています。

目と耳の連携性を支えてるは首

身体機能的にも、目と耳は連動しています。例えば聴覚においては、大きな音が聞こえた時、瞬時に眼球が反応して目標をとらえようとします。また、三半規管は、身体の平衡感覚を検知して、目に入る映像がブレないよう、目の位置や動きを自動的に調整します。これは小脳とも連携して実に複雑な働きをしています。めまいの中には、眼振(がんしん)が起こることで、地面が揺れて感じたり、天井が回転するように見えるものもあります。このように、目と耳は、常に連動して身体機能を保持しているのです。

ただ、目が疲れると耳に症状が出る、また耳が疲れると目に症状が出るという状態は、もう少し複雑な要因が絡んでいます。 それは、「目・耳・首」という三角関係です。実際に、後頚部への強いマッサージや鍼刺激によって「眼振」が起こり「めまいの症状」が誘発される場合があります。つまり、首への負荷によって眼球運動に変調が生じ、めまいが起こるという病態が存在するのです。

目と耳をつなぐ首の役割

ここでは、目と耳をつなぐ首の機能について解説していきます。耳や目を含めたすべての臓器は血流(血液)によって維持されています。ですから血流が弱まり不足すると、その臓器の機能は低下してしまいます。心臓から出た血液は「首」を通って目や耳や脳に送られます。首には2本の重要な動脈があります。1つは頸動脈(けいどうみゃく)で頭蓋の中に入った動脈は一部が分岐して「眼球」に接続しています。もう一つは椎骨動脈(ついこつどうみゃく)で頸椎(首の骨)にあるトンネルを通って頭蓋の中に入り一部が分岐して聴覚器に接続しています。

(1) 頸動脈→眼動脈→眼球
(2) 椎骨動脈→脳底動脈→迷路動脈→感覚器

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: hga.png

さらに、重要なのがそれぞれの血管に分布する神経で、血管の血流量は神経による調整も受けています。それが、頸動脈の星状神経節を中心とする前頚部交感神経叢、また椎骨動脈起始部神経叢です。そして重要なのが、この二つの神経がネットワークを築き、連絡を取り合って、各部位の筋収縮や血管収縮を調整しています。 かなり難しい内容ですが、つまり目と耳は首にある神経ネットワークによって血流などが管理されているということです。その管理者はもちろん脳ですが。

逆に言うと、首を痛めると目や耳にも不具合が出ますし、目や耳が疲れると首に負荷がかかります。まさに目・耳・首は三位一体といえます。 このような症状でお困りの方は、是非ご相談ください。