人間の体は、口から体内に摂取した食物から成り立っています。
ですから、生命の根源は「食」にあると言っても過言ではありません。
しかし、どんなに良い食物を食べても、その栄養が上手く消化・吸収されなかったらどうでしょう。たちまち体力は減退し、免疫力も低下してしまいます。その結果、実に様々な病気を発症するリスクにさらされ、いざ病気になると非常に治りにくい状態となります。このように「病気の予防」や「病気の治癒」には、食事と胃腸の働きが大きく関与しているのです。
当院には様々な難病を抱えた患者さんが来院します。多くの方が、「先生、どうしたら辛い症状から解放されるでしょうか?何とか良くしてください。」とおっしゃります。
治療には様々な手法がありますが、最も重要な事は、「胃腸の働きを整え、身体に良い食事をとる」ことです。前者は、私たち鍼灸師の担当です。そして、後者は患者さま自身の担当です。たとえ癌の治療に対してでも、基本は同じです。
難病を抱える方の多くが胃腸の不調を抱えて生活しています。特に、一日のうちで、いくつもの薬を飲まなければならない方は、ひどく胃腸が弱っています。薬の服用はとても大切なことですが、薬の多くは胃腸の粘膜に障害を与えます。また、免疫力を高めると謳われている健康食品やサプリメントでさえも、時として身体にマイナスの影響を与えることがあるのです。
当院で鍼治療を受けられた方の多くは、「薬を飲んでないにも関われず痛みが消えた。」「鍼の刺激によって体内の何かが大きく変化するのが感じられた。」「実に鍼治療は不思議ですね」とおっしゃいます。
鍼治療による作用とは、まず第一に体内に滞ったものを刺激により動かすことです。
・血流の改善
・リンパの滞りを排出
・代謝促進
・体内熱の放出、発汗
・冷えの解消
このように、鍼治療で最も期待できる効果は、外刺激のみで体内の滞りを動かす、巡らせる、排出を促す、ことです。つまり、鍼治療が生み出す有とは「流れ」ということです。
鍼治療で悪いものを流した後は、体内に良いものを摂取していかなければなりません。ですから、治療を継続していくうえで「何を食べるか」が重要になってきます。
朝はパンとコヒー、昼はランチのパスタ、夜は居酒屋、ラーメン。また、毎日マック、ご飯はお菓子という方は、身体に良いもを食べているとは言えません。
ここで話しを民族間の遺伝という、少し難しい話に移します。日本人と欧米人では骨格や体形が異なるのは明白です。遺伝は、このような外見だけでなく、風土や環境、また食文化に長い時間をかけて適応してきた胃腸などの消化器官においても同様です。
ですから、日本人にとって他の文化圏の食べ物は刺激的ではありますが、過剰に摂取しすぎると身体に負担がかかってしまうのです。私たちにとって良い食事とは、つまり和食といえます。ちなみに、小麦粉は欧米のもの、コヒーは南米のもの、フルーツは南国のものなので、日本人である私たちにはお勧めできません。
日本には一年を通して、春夏秋冬という四季があります。そして、私たちは古来より四季折々の豊かな食材に恵まれ、食卓には季節に応じた旬の食べ物が並んでいました。
しかし、現代はどうでしょうか。ハウス栽培や遺伝操作によって、例えば夏にしか採れないはずの野菜が、一年中手に入ります。さらに、海外で生産された様々な食材が季節を問わずお店に並ぶようになりました。
さて現在、自然治癒力を高める方法論や健康食品が巷にはあふれています。一方で、自然本来の運行から外れた生活(食生活)をしながら自然治癒力を高めようとするのは、どこか矛盾しているように思われませんか?
自然の流れに沿った食べ物、旬の食べ物を継続的に食べることが大切です。
後は鍼治療で胃腸の働きが活性化しますので、病気に打ち勝つ身体づくりが出来てくるのです。
患者さんから「血糖値は正常なのに、どうして甘いものを控えなければいけないの?」と良く問われます。甘いものから摂取される糖分は身体にとって過剰なものです。
と言いますのも、身体に必要な糖分は、お米やおかずにも含まれており、現代の食卓では既に必要な糖分摂取量はクリアしているのです。
過剰に摂取された糖分は?
先にも述べたとおり、鍼治療は滞りを悪として、循環・代謝に重点を置いています。実は、この滞りを強めてしまうのが糖分なのです。ですから、体内の過剰な糖分は、病気の治癒を遅らせます。また、糖分は胃腸の働きを弱めることがあるので、いくら身体に良い食事をとっていても、甘いものを食べると、途端にs治療効果が崩れてしまうことがあります。
自然は常に変化しているように、人間の身体も刻一刻と変化していきます。実際に、私たちは自然の力を味方につけることが出来れば、現代医学で治療困難と言われた症状も回復に向かうことが横行にしてあるのです。
つづく