眼瞼下垂による頭痛、首肩こり、自律神経失調症の図

年齢と伴に気になってくるのが、目のまわりのコンディションです。統計では、中高年の半数以上が「瞼が下がる症状」を自覚していると言われます。眼瞼下垂や重瞼症のケアは、「心身の健康」や「見た目の若さ」を維持するために重要な要素と言えます。

当院は、まぶたの不調、まぶたの美容に関する悩みにフォーカスした専門的な鍼治療を行っています。また、眼瞼下垂や二重瞼の手術など、まぶたの手術後自律神経失調症のケアもおこなっています。

眼瞼下垂手術・まぶたの手術後
自律神経失調症の治療経験が豊富です。

特に、目の上が下がってくる眼瞼下垂の症状に当院ては「治療」と「美容」の両面からアプローチできる施術メニューがございます。ご予約の際は、治療コースと美容コースのどちらをご希望されるかお伝え下さい。ご予約はTEL03-5980-7511まで。

重瞼ケア 眼瞼下垂専用鍼治療の画像
美眼ケア 目のまわり専用美容鍼の画像

美容的なアプローチをご希望の方は、こちらの「目のまわり・まぶた専用美容鍼」のページをご覧ください。

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂(がんけんかすい)では、目の上の瞼(まぶた)が下がってくることで、視界が遮られて見にくくなったり、顔の印象が暗くなったり、眠たいような感じになります。

右目が正常で左目が眼瞼下垂の図

はじめに

眼瞼下垂は目の酷使による眼精疲労やドライアイ、加齢にともなうもの、病気によるもの、まぶたへの刺激が積み重なって瞼板が伸びてしまったもの、自律神経や精神的な問題から生じる場合があります。

眼瞼下垂による顔の不具合

眼瞼下垂は視界が狭まるなどの目の機能の問題の他、おでこのしわ、目尻のしわ、目元のくわまの原因にもなり、容姿の問題が主な悩みとなります。詳しくは当院が行ている「目のまわり・まぶた専用美容鍼」のページをご覧ください。

さらに、眼瞼下垂は頭痛や首肩こり、不眠症、慢性的な疲労、自律神経失調症、うつ病など心身の問題にも波及する場合があります。

眼瞼下垂による自律神経失症状の図

特に、まぶたを挙上する眼瞼挙筋の疲労や伸びた瞼板を代償(だいしょう)するため、ミューラー筋(交感神経に呼応するまぶたの補助筋)に負荷がかかり、交感神経が亢進(こうしん)する自律神経失調症を来す場合があります。

当院を受診する方の状況

  • 眼瞼下垂の手術を受けるほどではない
  • 手術を検討する前に鍼を試してみたい
  • アイトレや瞼の体操、まぶたテープでは効果を感じられない
  • 原因が分からず、何処に相談して良いか判らない
眼瞼下垂 何処に相談して良いか判らない

鍼治療で期待できる効果

  • 目がパッチリ大きく開くように !
  • 眼瞼挙筋の腱膜と瞼の皮膚との連結を修復
  • まぶたとの連携をリカバリー
  • まぶたにチカラが伝わり瞼の形を整う。
眼瞼下垂の鍼治療で目がパッチリ

それでは、眼瞼下垂について、以下に詳しく解説していきます。

眼瞼下垂の症状

  • まぶたが下がってくる感じがする
  • まぶた(目の上)が重たい
  • 視界が狭まった感じがする
  • 周囲が良く見えない
  • 眠そうな顔、暗い顔
  • 老け顔などの容姿の問題
  • 外見のストレスによる心身の不調

眼瞼下垂の種類

加齢に伴う皮膚や筋肉の弛緩、持続的なまぶたへの刺激により、眼瞼挙筋と瞼の付着部(連結)が緩んで垂れ下がる(ズボンの紐が緩む)。

  • 加齢や身体の衰え
  • 眼精疲労やドライアイ
  • まぶたの怪我や外傷
  • 目の手術でまぶたを固定
  • まぶたを手でこする習慣
  • コンタクトレンズの着脱や装用時の瞼への刺激
  • アイメイク、つけまつげ、アイプチ、まつエクなどの目元コスメ
  • 花粉症などのアレルギー
  • アトピー性皮膚炎
  • まぶたのマッサージのやり過ぎ

瞼が下がる他の原因

  • 重症筋無力症
  • 動眼神経麻痺
  • 腫瘍など
  • ムチ打によるバレリュー症候群
  • 擬眼眼瞼下垂
  • 眼瞼けいれん
  • 眼瞼皮膚弛緩症

眼瞼下垂と身体症状

まぶたが下がっていることで生じる、頭痛、首肩こり、不眠症、慢性疲労、自律神経失調症、うつ病が代表的です。

当院は重度の眼精疲労治療、頭痛や首・肩こり、また様々な自律神経失調症状を抱える多くの患者さんの治療を行ってまいりました。そのような中、「それらの症状」と「ある目の症状」との関連性に着目するに至りました。それは「眼瞼下垂」の症状です。

鏡や自分の顔写真を見てまぶたが下がっていることに気づく事が多いです。

まぶたで視界の一部が遮られている、夕方になると瞼が下がってくる、目を開けているのがつらい、瞼が重く目を閉じたくなってしまう、など、目の開閉、つまり瞼の問題を訴える方が実に多くいらっしゃいます。

そして、首や肩の治療だけでは症状の改善が難しかった患者さんが、瞼や目の周囲を合わせて治療することで、頭痛や肩こりが劇的に改善するという経験を得ています。

実は、眼科や形成外科の分野においても、眼瞼下垂と頭痛・肩こり、自律神経失調症の関連性が近年注目されています。

まぶたの機能を補う負の代償動作によるストレスが全身へ。代償とは、補う、補完する、変わりとなる、という意味ですが、まぶたを挙げる筋肉の機能が弱まると、他の筋肉が肩代わりするようになる。

まぶたを挙げる筋肉には、上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)という筋肉がありますが、この筋肉が障害を受けたり、疲労することで、瞼が下がった状態になります。

そして、機能低下を起こした上眼瞼挙筋の働きを代償するために、オデコの筋肉や首・肩の筋肉に負荷がかかります。

1、眼瞼下垂による頭痛


眼瞼下垂の方は、おでこにしわが生じやすいと言われています。それは、下がった瞼をおでこの筋肉で持ち上げる習慣がついてしまうからです。

おでこの筋肉は前頭筋(ぜんとうきん)と言われますが、前頭筋は本来、眉毛を引き上げて豊かな表情を作るための筋肉であり、まぶたを挙上する働きがメインではありません。

おでこの筋肉を使ってまぶたを挙げ、目を開く動作を繰り返していくと、側頭部、頭頂部や後頭部が引っ張られ、負荷がかかり、こりが出来ることで、頭痛や後頭部痛の原因となります。

2、眼瞼下垂による首肩こり

まぶたが下がり、視界の上の方が遮られると、顎を前に出す不良姿勢が、知らず知らずの内に習慣化されてしまいます。どうしても姿勢が猫背になりますので、胸鎖乳突筋や僧帽筋や肩甲挙筋などの首肩まわりの筋肉が、瞼を開こうとする際に緊張するようになり、慢性的な首肩こりを生じるようになります。

眼瞼下垂と眼精疲労(疲れ目、頭痛、首肩のこり)の悪循環

例えば眼精疲労によって瞼が生理的に下がり、それでもなお目を使い続けることで、首肩が異常にこり、頭痛や首・肩こりが誘発されます。

首こり肩こりが、さらに眼精疲労を悪化させることで、重度の眼精疲労や自律神経失調症を引き起こします。

これは、眼瞼下垂性の首・肩こりと言われています(眼瞼下垂に起因した身体的不調の悪循環)。

元をたどれば、下がってくる瞼を頑張って開けようとして、首肩の筋に、知らず知らずのうちに力が入っているという状態が続くことが問題となるのです。 ですから、当院では目、頭部、首、肩、背中を合わせて治療を行っています。

3、眼瞼下垂と自律神経

瞼を挙げる際は「上眼瞼挙筋」と「ミュラー筋」という二つの筋肉が互いに連動します。ミューラー筋は上眼瞼挙筋の裏側についており、ぶたの挙上をサポート(力添え)しています。

ミューラー筋は、交感神経(闘争神経・高揚)からの信号を受診したり、逆に筋収縮により交感神経を刺激(鼓舞)しています。いわば、交感神経のセンサーであり、感情的な瞼の見開きなどに使われると言われています。

ちなみに自律神経のうち交感神経は身体を緊張させる神経で、副交感神経は身体をリラックスさせる筋肉です。つまり、瞼を閉じていたり、瞼の力が緩まっている時は、ミュラー筋も緩むので副交感神経が優位になり心身は休息します。

眼瞼下垂の状態で瞼を頑張って挙げようとすると、このミュラー筋に負荷がかかり、交感神経が過剰な刺激を受けます。交感神経が過剰な刺激を受けると、心拍数は上昇し、血管は収縮します。

特に首や肩の筋肉は緊張します。その結果、本来ならばリッラクスが必要な状態でも緊張が続き、慢性疲労や不眠症、消化不良、冷え性などの自律神経失調症を来たします。

瞼の仕組み

私たちは1日に1万5千回~2万回の瞬きを「まばたき」を行っています。瞼は、閉じる際に「眼輪筋(がんりんきん)」が作用し、開ける際に「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」が作用します。

また、より目を大きく開ける際は「ミューラー筋」が作用します。その他に「前頭筋」「皺眉筋(すうびきん」「側頭筋」「後頭下筋」などの補助筋も作用します。

物を集中して見るためには、瞼をしっかりと開け続ける必要があります。疲れていたり、眠いのを我慢して、瞼を一生懸命に開けようとすると、当然それらの筋肉は疲労します。

では、目を見開くための筋肉は、どこから、どこへつながっているのでしょか。

上瞼(うわまぶた)は、上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)が収縮することで挙上します。目を開ける動作を考えると、筋肉は「おでこ」の方につながっていると思われがちですが、違います。

瞼を開くための上眼瞼挙筋は、目の奥へと長く伸びていき、目を動かす筋肉と伴に視神経の鞘(さや)に接着されています。つまり、上眼瞼挙筋の起止は総腱輪(そうけんりん)です。

上眼瞼挙筋図-眼球断面図

これにより、瞼を吊り上げるとい言うよりも、「てこの原理」で後方から引っ張り挙げるという作用が可能となるのです。

瞼を持ち上げるには、それなりの力量が必要なので、理にかなった構造だと言えます。

しかし、この構造ゆえに、目を酷使すると、眉間から眼球上部に沿って、目の奥が痛くなるという症状を来します。

また、力学的にも頭の付け根(ぼんのくぼ)あたりで、上眼瞼挙筋の収縮を支持しますので、後頭部や首の後ろが凝ってしまいます。ひどいと、瞼を持ち上げるたびに、後頭部がズキンと痛むケースも生じます。

画像2


瞼を挙げる筋肉には、メインの上眼瞼挙筋の他、ミュラー筋、前頭筋などがあります。瞼の先には、軟骨で出来た瞼板(けんばん)が付いており、内部には「涙の成分の一つである油分」を分泌するマイボーム腺が備わっています。

瞼板は、ファスナーのように、上瞼と下瞼が、ジッパーでピッタリと閉じるようになっています。

その瞼板に付着し、瞼をより上方へと引っ張り挙げるベクトルを生み出すのがミュラー筋(後述)です。

ミュラー筋は交感神経優位で活発に働きます。そのため、交感神経が遮断されると、瞼が微妙に下がった状態となります。

さらに、注視(集中して物を見る)を行うためには、目を閉じる眼輪筋と目を開ける挙筋+ミュラー筋が同時に収縮した状態となり、その持続にはエネルギーを消費します。

目を、より大きく開くために働くミューラー筋

よく、「目ヂカラ」という言葉を聞きます。映画やドラマやアニメでは、主人公が逆境から這い上がり、起死回生の一手を打つときに、主人公の大きく見開いた目がクローズアップされるシーンを良く見かけます。

この時、ガンガンに働いているのが上瞼のミューラー筋です。交感神経線維が接続していますので、身体を鼓舞する時や、高揚している時、緊張した時、動揺した時、怒った時などに、積極的に反応します。

また、首や肩の筋緊張(筋収縮)とも連動していますので、肩に力が入ると、瞼にも力が入ります。

尚、交感神経鼓舞作用(火事場の馬鹿力)を発揮する際には、目を大きく見開く、また、歯を強くかみしめる(歯の歯根膜には交感神経線維が接続)などが、トリガーとなります。

上記は、極端な例ですが、瞼は眼輪筋、眼瞼挙筋、ミューラー筋の三者が協調しながら、一日2万回にも及ぶ瞬目、感情などの精神状態を伝えるアイ・ラングエッジ、まぶしい光を防ぐ細目など、日常的にフル活動しています。