「あれ、温泉に数分つかっただけで、目の痛みが取れた・・・。」

玉川温泉は「生涯にわたり、記憶に残る湯治体験」と言えるほど衝撃的なものでした。

温泉好きな私たちはこれまで、鳥取県「三朝温泉」、島根県「温泉津(ゆのつ)温泉」、群馬県「万座温泉」、北海道「十勝川温泉」「登別温泉」などなど、湯治場としても有数の温泉地を巡ってきましたが、今回訪れた秋田県「玉川温泉」は文字通り”最強”の温泉です。


玉川温泉は、微量のラジウム(放射線)を含む北投石による屋外岩盤浴が有名で、全国から癌や難病を抱える患者さんが訪れる、いわば天然の療養施設です。

さらに玉川温泉は、岩盤浴だけでなく、強酸性の源泉(PH1.2)も湧き出ており、日本を代表する湯治場です。

出発日は、台風19号が猛威を振るった一週間後の10月21日。私たちは、午前11時20分東京駅発の秋田新幹線「こまち」に乗り、仙台、盛岡を経て田沢湖駅へと降り立ちました。東京駅から直通で3時間弱。田沢湖駅からは路線バスを利用して「玉川温泉」まで約70分の行程です。

実は、出発前は極度の過労状態で、目が腫れ炎症を起こし、ひどい眼痛と光過敏でサングラスなしでは目が開けられず、旅の準備もできないほどの体調不良に見舞われていました。何とか電車に乗り込み秋田県に到着。田沢湖から玉川温泉に至る山道からは、鮮やかに紅葉した山々が私たちを出迎えてくれましたが、景色を堪能する余裕もなく、気が付いたら玉川温泉に到着していたといった具合でした。↓新玉川温泉ホテル


さて、厳密に言うと、玉川温泉は湯治と屋外岩盤浴を行える「玉川温泉」と、観光客でも強酸性の温泉が堪能できるキレイな宿泊施設を完備した「新玉川温泉」という場所に分かれています。ただ、どちらもバスで行き来できます(1km程)。玉川温泉は一般的な温泉街とは異なり、主な宿泊施設は、この二つしかありません。

今回、私たちはリゾートホテルでもある新玉川温泉ホテルに2泊し、日中に玉川温泉に移動して屋外岩盤浴を行うという予定を組みました。ちなみに玉川温泉側の宿泊施設はテレビでも放映されているように本格的な湯治場で、病気の治療と療養のために、長期滞在が可能な施設となっています。こちらには自炊設備などもあります。公式HPにもありますが観光地ではりません。↓玉川温泉側の施設

再び、ここで話をはじめに戻します。施設に到着し、玉川温泉の入り方レクチャー(最強の温泉なので入り方を間違うと体調を崩す場合があるので要注意。)を受けてすぐ、温泉につかりました。私は玉川温泉ビギナーなので、源泉50%の湯に5分ほどつかっただけですが、最初の言葉が思わず口から出てしまいました。

繰り返します。
「あれ、温泉に数分つかっただけで、目の痛みが取れた・・・。」

温泉の感じは「肌がピリピリする。」「足先の擦り傷がジンジン痛む。」でした。そりやPH1,2の強酸性温泉ですから当たり前です。泉質には源泉50%と源泉100%があり、さらに頭浸浴、熱気浴、歩行湯、露天風呂、箱蒸浴など、様々な浴槽もあり工夫が凝らされています。

温泉から出た後の体感は、
「身体がいつまでも熱い」
「肌がすべすべツルツル」
「おなかがすごく減る」
「ただひたすら眠くなる。」

特に血流促進効果が凄まじく、半日経っても手足の先まで血液がドクドクと全身を駆け巡る感じが続きました。この感覚は言葉では表現するのが難しく、実際に湯につからないと味わえないものだと思います。

ですから、玉川温泉の効能に関しては、時としてエビデンスの有無が問われるようですが、これは「玉川温泉に入った人しかわからない」「一度つかれば理屈なしで効果を実感できる」、玉川温泉は、そのような温泉だと私は思います。

おそらく、玉川の源泉を空輸して自宅の浴槽に張り、そこにつかっても、同じような効果は得られないでしょう。

大自然の息吹、清んだ空気、悠久の時間、自然共生の文化、患者同士のさりげない交流など、どれ一つ欠くことができないものなどだと思います。

実は、これ、私たちが日々行っている鍼治療と同様のことが言えると思います。

二日目は、いよいよ玉川温泉の屋外岩盤浴体験です。皆様は「ホルミシス効果」という言葉をご存知でしょうか。
ホルミシス効果とは、微量の放射線を浴びることで細胞が活性化し、それが健康増進につながるという概念です。玉川温泉の北投石(天然記念物指定)にはラジウムが含まれています。ラジウム鉱石から放出されるα線は、人間の細胞膜を透過してミトコンドリアを活性化し、細胞の新陳代謝を促進するとされ、医学的な研究もなされています。放射線は大量に浴びると人体に悪影響を及ぼしますが、微量だと、それが健康増進になるという考えがあります。

実際に玉川温泉に行ってわかりましたが、岩盤浴が行える敷地(国立公園)へは、特に入園料などなく、地面にゴザを敷いて、ただそこに寝そべるだけなのです。私達も売店でゴザ(1200円位)を買って、テント内で寝そべり岩盤浴を体験しました。


但し。玉川温泉の屋外岩盤浴場は、どこか物々しい雰囲気がありました。とても一見の観光客が気安く立ち寄れる場所ではないように思いました。

やはり、話を聞いてみると進行癌の人が多く、「自分は玉川で治す。」という強い思いで滞在している方ばかりでした。

私たちは白状を持っていたので、皆親切にしてくれましたが、ここは観光地ではなく「療養の聖地」だということがよく分かりました。

今回、私たちは、温泉に入れただけで大満足でした。そして、必ずまた玉川温泉に行きます。